「脳の問題でもう一つ気がついたのは、イノシシもネコと同じように鬱だということです。」

「猪も鬱なのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。鬱の特徴は人間でも同じですが、好きなことはどこまでもやろうとするが、少しでもやりたくないという気持ちがあることはできないという特徴があります。それに加えて、何か気になると頭から離れないという特徴もあります。」

「猪は鬱の人間と似た行動をするのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。最初に気がついたのは、門の東側にある苔は荒らされるが、西側にある苔は荒らされないということでした。」

「どちらの苔にも超音波害獣撃退器は設置してあったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかも、東側の方が台数も多かったのに、西側の苔は全くやられないのです。」

「それは不思議ですね。どうして西側の苔は荒らされないのでしょう」と町会長。

「原因は4つありました。最初に気がついたのは、門の西側には砂利が敷き詰めてあり、苔も石を積んで作った築山に生えています。それで、イノシシは石が嫌いなのかとか、イノシシの足は蹄なので、歩きにくいのかとか考えました。しかし、敷き詰めてある砂利は、1センチ前後細かいものなので、もしかしたら、蹄の先が割れているので、そこに詰まるのを気にしているのではないかとも思いました。」

「それで、裏庭にも石が敷き詰めてあるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。大きさの違う砂利を3種類ほど試してみましたが、どれも効果があります。蹄の先に詰まりそうな細かいのが一番効果があるような気がします。」

「猪の侵入を妨げるには、どのくらいの幅が必要なのですか」と町会長。

「多分、2,3メートルは必要だと思います。しかし、砂利を3メートル敷き詰めたとしても、早朝などの明るいときには効果がありますが、夜は効果がほとんどありません。イノシシが明るいところで砂利を見て、『歩くのがやだな』と思わないと効果がないようなのです。」

「なるほど。それで猪が鬱だと分かったのですね」と町会長。

「そうなんですよ。心理的な問題なんですね。」

「一つ目の原因は分かりました。二つ目は何ですか」と町会長。

「あの大きな青い石の向こうに石灯籠があるでしょう。あの石灯籠を小道の側からLEDのライトが夜間照らすようになっています。最初購入したライトは暗かったのですが、最近購入したのは、遠くから見てもまぶしいくらいなのです。もしかして、これかなと思って、裏庭に1台設置したら効果は絶大でした。イノシシの目の高さなので、どうしても見てしまうようです。横を向いていればいいのでしょうが、鬱だから気になってどうしても見てしまうようです。」

「LEDのライトからはかなり距離があるし、ライトの正面と言うわけではないのに効果があるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。哺乳類は元々夜行性だと言われています。」

「鳥の祖先の恐竜が昼間歩き回っていた時代に、哺乳類は夜こっそり活動していたのですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。暗いところを見ているときにLEDの強い光を見ると、耐え難いほどまぶしいのだと思いますが、鬱だから気になって見てしまうようです。」

「それでLEDライトが光らない朝に来て、ソーラーパネルをひっくり返したのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。『こんなもの何でもないぞ』ということをデモンストレーションで示したのです。元に戻したら、同じことはやりませんでした。ひっくり返しても効果がないと思ったのでしょう。」

「三つ目の原因は何だったのですか」と町会長。

2019/12/7

※イノシシは夜行性なので、LEDライトに極めて弱いようだ。夜間にLEDライトの光を見ると、しばらく何も見えなくなってしまうと推定している。例えば、広い通路のようなところからイノシシが侵入してくる場合、センサーでライトが点灯するタイプのものをイノシシの目の高さに設置すると、イノシシは入って来ない。一度入って来たことがあるが、明け方入ってきている。センサーをチェックしてみると、明け方程度に明るいとライトが点灯しないように設定されていた。明け方でもライトが点灯するようにように設定し直すとイノシシは二度と入って来なかった。イノシシは、突然光るLEDライトに極めて弱い。曇り日程度に明るい明け方でさえ効果がある。

2022/10/6